花言葉をスノver.で小説化しました。

ごきげんよう。はるです。
年に数回のお迎えに参りました。
今回は A.B.C-Zさんの花言葉のMVの物語を
Snow Manさんにして勝手に小説風に書いてみました。
はい、丸パクリです。自分なりに文足したりしました。
ど素人なのでこの職業こんなことしないよ、等あるかと思いますが見守ってやってください。このようなもの苦手な方はお戻りいただけると幸いです。

 


理学療法士:目黒蓮
ヒロイン:長峰詩織
詩織の婚約者:宮舘涼太
心療内科医:阿部亮平
花屋:深澤辰哉
神出鬼没の清掃員:佐久間大介

 

 

 

やってきたのは、事故で婚約者との記憶を失った女の子でした__________。

 

 

「最初は1本やがては100本の花♪」
お気に入りの曲を口ずさみながら職場へ向かう。
職場につくまでの道、踏切を渡ってすぐの所に、俺よりきっと年上で、いつも眠そうな目の深澤さんが経営している小さな花屋さんがある。
「今日もバラですか?」
眠そうなのにどこか鋭さがあるこの目に、たまに吸い込まれそうになる。
「はい、1本お願いします」
俺は、ある日を境にここの花屋でバラを買うことが日課になっていた。


「ふふふ。」
バラの花を花瓶に入れて飾っていると、彼女が笑う。
「なんでそんなに笑ってるんですか?」
「ふふふふ。」
「あ!なんか俺の顔についてるとか?」
「違う違う!いや、先生すごいなって思って。」
「どういうこと?」
「大事なものを色々くれるし。バラの花とか、ほら、昨日は歩けるようにしてくれたじゃん。」
「それは、長峰さんが頑張ってるからですよ。」
「ふふ。たまには入院も悪くないなぁ……」
ボソボソと言った声は、聞こえなかった…と思う。
「え?」
「ううん!何でもありませ〜ん!ふふ…あ…こんにちは…」
振り返るとドアに男性が立っていた。
「...また、来ます」
彼はそそくさと来た道を戻って行く。

「バラ、喜んでますか?」
追いかけて声をかけると彼はそう言った。
「ええ。バラを飾るようになってから笑顔が増えましたし、昨日なんて2、3歩歩けたんですよ。」
「……そうですか。」
長峰さん、バラ好きなんですね」
「昔は全然好きじゃなかった。…俺が渡すまでは。少しは覚えてるのかな、バラ100本でプロポーズしたのとか。」
「きっと、覚えて「じゃあ、なんで俺と出会ってからのここ3年だけすっぽりと記憶がなくなるんですか?詩織にとって、俺の存在なんかどうでもよかったからじゃないんですか?」
クールで温厚そうな彼が声を荒げた。
「そんなことありません。宮舘さんは婚約者じゃないですか。長峰さんは、事故で一時的に記憶を「わかるんです。今の詩織にとって、俺はよそ者だって。何でも話せる人は、…別にいるって。」
彼は俺の話を遮るように言う。俺は何も言えなかった。


自席に戻って長峰さんのカルテを見ながら分かりやすく頭を抱えていると、阿部先生が高そうな靴をコツコツと鳴らしながらやってきた。
「目黒〜お前さ、自分の仕事わかってる?事故で失った記憶を取り戻すのは俺ら医者の仕事だから。お前は彼女を歩けるようにすればいいの。バラとか必要か?余計なことしないでくれる?」
そうはき出してすぐ出ていく阿部先生に少し苛立ちを覚える。
「じゃあどうすればいいんだよ...」
ビシャッ。
「ああすみません、ここにバケツあったのかあ~。大切なものって意外と見えなかったりするんですよね~」
「はあ?」
阿部先生が出て行った方向から、清掃員の人と阿部先生の声がした。

 

 

「先生!できた!!」
数日経って、病室で書類を整理していると、診察から戻ってきた彼女がひょこひょこと歩いてきた。
「わ!大丈夫!?」
まだバランスがうまく取ることができないからすぐによろけてしまう。けれど彼女は今までにないくらい顔をくしゃくしゃにして笑った。
「うん、大丈夫!すごい!できた!できたぁー!!」
「できたじゃん!!」
子どものように無邪気に笑う彼女を見ているとなんだか胸がチクチクと痛む。

 

今日もリハビリのために彼女の病室へ向かう。
「こんにちは。」
いつものように扉を開けると、彼女がペンを持ちながら難しそうな顔をしていた。俺に気が付くと、書いていた紙を急いでぐしゃぐしゃに丸めてゴミ箱に捨てた。
「なに書いてたの?」
「えーとあの、ら、落書き!」
明らかに何かを隠して動揺している彼女に少し意地悪してしまいたくなる。
「落書き~?ちょっと見せて...」
さっき捨てたゴミ箱に手をかけようとすると、
「あーだめだめだめ!」
彼女が大きく首を横に振る。
「わかりました、もう見ませ~ん。さ、リハビリ行きますよ」
リハビリの病棟に行く途中、清掃員の人とすれ違った。捨てられちゃうかな、なんて書いてたんだろう。


「はい、95本目。」
次の日、花屋さんで俺にバラを渡しながら深澤さんが言う。
「え?」
「毎日来られるから、数えちゃったんです。」
「95本…」
毎日のように買っていたから、もうそんなに経つのか、と時の流れの速さに少し驚く。
「バラの花って本数によって花言葉が違うの、知ってました?1本だと、『ひとめぼれ』。3本だと、『愛しています』。12本だと、『私と付き合って下さい』。100本だと...」
「100本だと?」
「100本だと......あれ?忘れちゃいました!わら 何はともあれ、100本もあげるってことはそれほど想いが強いってことですよ!」
想いが強い。俺は、何のために毎日バラを買っているのだろうか。彼女を元気にするため?それとも...


「先生は私の記憶、戻ってほしいですか?」
リハビリの練習中、突然彼女が不思議そうに俺に聞く。
「戻ってほしいに決まってるでしょ。」
「私は……別にいいかな。」
「え?」
「だって、思い出したら私…」
もう一人でもたくさん歩けるようになった彼女は俺の顔を見つめて、何かを悟ったようにすぐに視線を足元に移してひょこひょこと歩き始める。
「なんでもないです!冗談です気にしないでください!」
早歩きでどこかへ行こうとする危なっかしい彼女に振り払われた手を、また支える。


「先生、お願いがあるんです。」
今日の仕事が終わって、患者さんも少なくなってきたロビーに低い声が響く。
「え?」
「詩織にプロポーズしてくれませんか?」
今まで俺の人生では関係のなかった言葉が降りかかってくる。
「は?」
あまりに突然の話に間の抜けたような声を出してしまう。
「プロポーズ。水族館でバラを渡したんです。『俺のこれからの人生全てをかけてずっとお前を守る』って言って。」
「……どういうことですか?」
「詩織、バラを飾ってから良くなっていってるんですよね?俺のことは覚えてなくても、バラのことはなんとなく思い出せる。だから、プロポーズを再現すればもしかしたら記憶が戻るんじゃないかって」
「それは宮舘さんがやる方が…」
「それができたらやってます!でも、詩織は俺に心を開いてない。病室でバラを渡そうとしました。でも詩織は、受け取ってくれない。だから、だから先生にお願いするしかないんです。戻してあげたいんです。詩織の記憶を。俺のところに帰ってきてほしいからじゃない。…もちろん、帰ってきてほしいですけど、記憶が戻った上で俺を選ばないなら、…諦めます。だから、だから、お願いします」
「……すみません」
それを俺がやったところでどうする。彼女を騙すようなこと、俺にはできない。それに記憶が元に戻る保証なんてどこにもない。
「先生、お願いします!」
『事故で失った記憶を取り戻すのは俺ら医者の仕事だから。お前は彼女を歩けるようにすればいいの。』
ついこの前、阿部先生に言われたことが頭によぎる。
「すみません、私には無理です。できません。…療法士なんで。」
俺に向かって深々とお辞儀をする宮舘さんを背に、俺はその場を立ち去った。

 

コンコン。リハビリが終わり、部屋の掃除をしているとドアが鳴る。もう患者さんもいないのに、と振り返ると深澤さんが5本のバラの小さな花束を持って立っていた。
「今日来なかったから、どうしたのかなって」
「え?」
そういえば、今日は朝からバタバタしていて花屋に寄るのを忘れていた。
「これで100本です。…余計なお世話ですよね、でも僕、嬉しかったんです。毎日店に来るお客さんっていませんから。うちの花が誰かを元気付けられているんだなって思うと嬉しくて。あ!それ、プレゼントなんで、お金いらないです。では。」
「あ…」
お礼を言う間もなく、深澤さんは足早に帰って行ってしまった。


バラの花束を自分のデスクに置いて、宮舘さんが言った言葉を思い出していると、俺の苦手な足音が聞こえてくる。
「目黒!216の長峰詩織、明後日退院するから。」
ドアを開けて、阿部先生が言う。
「…知ってるか?彼女夜中に何度も目を覚ましてるって。普段明るく振舞ってるけど、やっぱ不安なんだろうな。記憶がすっぽり抜けていることが。……目黒。その花ここに必要か?場違いだろ。1番似合うところに置いてこい。」
「…え?」
一瞬、自分の耳を疑ったが、阿部先生は右の口角を少し上げていた。
「1番似合うところ…」
そんな場所、一つしかない。俺は足早に彼女の病室へ向かった。

 

退院前日。俺は阿部先生に外出の許可をもらって彼女を水族館に連れて行った。
まだ歩き方はぎこちないが、随分と歩けるようになって、久しぶりの外の世界に感動している彼女を見て俺も嬉しくなる。
「先生、こっちのお魚すごいよ!」
「いやこっちもスゲェから!捌けそう!」
「えぇ!?先生魚捌けるの!?」
「捌けるよ!鯛丸々1匹とかね」
こんな他愛もない話をしている時間がどんなに幸せか。
他の人から見たら俺たちはどう映っているのかな。

人がだんだんといなくなっていって、上を魚が泳いでいる海の中のトンネルのようなところの入り口で俺は彼女を呼び止めた。
深澤さんがくれたバラの花束を差し出して言う。
「俺、の、これからの、人生、全てを、かけて、ずっと、お前を守る…。だから、「本当に」
もたつく俺の言葉に彼女の声が重なる。
「…本当に、そう思ってますか?なんか、言わされてるみたい…。」
こんなこと、俺にはできない。すぐにばれてしまう。
「……帰ります。」
「あ…」
彼女を追いかけようとする。ドンッ。
「いって」
「あ~すみません、前を見ていなかったもので」
「あれ、あなた清掃員の…」
清掃員にしては明るい髪の毛の彼はぶつかった弾みで散らかしてしまったゴミをはいていく。
「よし、完了~!」
大きな目で大きな声を出す彼の足元にはぐしゃぐしゃに丸まった紙が落ちている。
「あの、まだ残ってますけど」
「それはあなたのですよ。」
「え?」
訳も分からずその紙を広げると、そこには手紙のようなものが書いてあった。
『目黒先生へ。退院近いみたい。もっと入院していたいって言ったら怒るかな、怒るよね。私はここでの思い出、ずっと忘れません。』

「本当に!」
気が付いたら、声を出していた。海の中のトンネルの、終わりにいる彼女に届くように。
彼女が立ち止まり、こっちを振り向く。
「俺は本当に、あなたのことが好きになってしまいました。」
俺は彼女のもとに走っていく。
「1分だけ、こうさせてください。」
何も言わない彼女のことを抱きしめる。
100本のバラの花言葉は、100%の愛。きっと俺は今、胸を張って100本目のバラを彼女に渡すことができるだろう。
「ありがとう、愛してる。」


「阿部先生、目黒先生、本当にお世話になりました。いこう、詩織。」
「…うん。ありがとうございました。」
宮舘さんと彼女は俺たちに頭を下げて、帰っていく。彼女は俺が口ずさんでいたあの歌を歌いながら。
「最初は1本やがては100本の花…」
「しっかし、どうして急に記憶が戻ったかな~」
阿部先生は首をかしげながら自分の持ち場に戻っていく。

きっと、これで良かったんだ。

帰りに花屋の深澤さんにお礼をしようと尋ねると、
「これ、詩織さんからのメッセージです。」
と、俺にカスミソウの花束をくれた。

 

f:id:snow9325:20200622220659j:image

 

 

いかがでしたでしょうか。

素晴らしいドラマですね。連ドラ化してほしい。

本家見たくなった方は、ぜひこちらからご購入ください。メイキングにはその後、のようなお話もあります。みんなビジュが良いので後悔しません。

https://abcz.ponycanyon.co.jp/discography/bd/16.html

すのもMVでこういうしんどいのをくれ〜〜